各々のHN(ハンドルネーム)事情
9/8 2025
カテゴリー:実体験を基にした個人的な話

1. ハンドルネームは『もうひとつの本名』
ハンドルネーム──通称HN。
これは単なるニックネームではなく、ネット上でのもうひとつの『本名』みたいなものだ。
私も、職場ではもちろん苗字で呼ばれるが、最近だとそれに次いで多いのがHNの『キョロ』。
学生時代の友人たちは昔のあだ名で呼んでくるので、下の名前で呼ばれることはほとんどない。
リアルの名前は親からもらうものだが、HNは自分で名乗る名前だ。
「名乗っていいよ」なんて許可を誰からもらわなくても、ある日いきなり「私、今日から〇〇です」と言って、それを周囲が普通に受け入れてくれる。
この文化、実はすごく特殊で面白い。
それに慣れすぎてるけど、考えてみてほしい。
『自分の呼ばれ方を、完全に自分で決められる体験』って、リアルではあまりない。
そして他人も、それを疑問なく呼んでくれる。
これ、ネット文化が持つ懐の深さのひとつだと思う。
2. 由来も変遷も、人それぞれの「自己紹介」
HNの由来を聞くと、その人の人格がよく出る。
- 好きなキャラや食べ物から取る人
- 昔の黒歴史を引きずりながらも愛着がある人
- 意味なんてないけどノリでつけた人
私もHNは何度か変えてきた方で、TRPG界隈での名前は『キョロ』。由来は以下の通り。
- たまたま目に入ったのがチョコボールだった
- 当時読んでた『GJ部』というラノベの主人公のあだ名がキョロだった
- 「キョロ充」って言葉がなんかオモロかった
という、なんともまあ適当なものだ。
でもそういう『なんとなく捨てきれない名前』って、ある意味当時の自分が何を面白がっていたかの記録でもある。
3. 名前でスベると、誰も寄ってこなくなる
自由に決められるがゆえに、HNには落とし穴もある。
たまに見る、「これ他人に呼ばせる気ゼロだろ」って名前。
面白いと思ってつけたのかもしれないが…
- 「鼻水ぶっぱ丸」とか「ち◯こ教」みたいなネタ系
- 読みにくい・言いづらい・字面がエグい系
- 「(笑)」とか「wwww」とか名前に組み込んじゃう系
本人は楽しいのかもしれないが、他人は呼ぶたびに地味にストレスを感じる。
HNは、主には自分が使うためのものじゃなく、他人が呼ぶもの。
そして、『呼ばれ続けることで意味を持つ』のがHN。
だからウケ狙いでもいいけど、「呼ぶ側のことを考えてるかどうか」は結構重要。
事実、名前でスベった人はなんとなく孤立しやすい。
それがHNの世界の残酷さでもある。
4. 変えられることは強さでもある
リアルの名前と違って、HNは変えられる。
しかも、あっさりと。
気に入らなくなったらリセットしてもいいし、界隈が変わったら衣替えするのもあり。
HNに過去の黒歴史を背負わせ続ける義務はない。
ただ、だからといって何度も使い捨てしていると、『HNの信用』っていう意外と大きな資産を失う。
「ああ、この人また名前変えたんだ」って思われた後、それまでの実績も繋がりも全部『なかったこと』にされる危険すらある。
だからこそ、HNを変えるならそれなりの理由と、変えた後の自覚を持つべきだ。
ちなみに、今回の記事を書くにあたって某所で「過去に1度以上HNを変更した事があるか(高校生以上対象)」についてアンケートを取ってみた。
- 投票数:139票
- 変更経験アリ:73票(52.5%)
- 変更経験ナシ:66票(47.5%)
ちょうど半々くらいだった。
意外と、最初のHNをずっと大事にしてる人も多いようだ。
最後に
自分が名乗ったその名前を、誰かが呼んでくれる。
それは、呼ばれ続けて初めて「名前」になる。
リアルの名前よりも、自分にしっくりくることもある。
でもそのぶん、リアルの名前以上に『自分が背負う名前』でもある。
名乗ることは、自分を見せることだ。
呼ばれることは、誰かとの関係を受け入れることだ。
名前は、他人に呼ばれることで意味を持つ。
そのことを忘れない人は、きっとHNとも長く付き合っていける。
ネットの世界では、あなたが何者かを決めるのはあなた自身だ。 その名に、とょっとだけでも思いやりを込めてくれたら嬉しい。
最終更新日:2025年9月8日