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1. 混ざりやすいけれど、違うもの

TRPGのプレイ中、「探索者がこう動きます!」という行動宣言と、「今、このキャラはどう感じているか」を表す心情の演技が、しばしばごちゃ混ぜに扱われる場面があります。

別にそれが悪いわけではありません。
でも、ここをちゃんと分けて意識するだけで、プレイの質がぐっと上がります。

役割が違います。


2. 行動宣言は「情報」として明確に

行動宣言は、まず明確に言ったほうが良いです。

これがあやふやだと、GMも他のPLも「結局どうなったの?」と混乱します。
だから、まず行動ははっきり言うのが基本です。

たとえば…

これだけで場はぐっとスムーズに進みます。


3. 心情の演技は「味付け」として丁寧に

一方、キャラクターの心情や表現は、
行動宣言とは別枠として扱ったほうがいいです。

これらは「こうする!」と言ったあとに、演技として『添える』と非常に映えます。

たとえば…

「銃を構えてドアの方に照準を向けます」
→ (震えた声で)「……誰、誰かいるの……?」

行動宣言だけでは機械的に見える動きが、心情を重ねることで『キャラがそこにいる』ようになります。
この順番を意識するだけで、卓の空気が一段階変わります。


4. 混ぜすぎると起きる弊害

逆に…

すると、場が流れづらくなることがあります。

PL「この状況で冷静を装いつつ、でも内心はもう限界ギリギリで──」
GM「で、何をするの?」

こうなった経験、ないでしょうか。
もちろん、気持ちを込めるのは大事。
でも、「行動は行動、演技は演技」という意識を持っておくと、整理されたロールプレイになります。


5. 上級者ほど、この切り替えが自然にできている

よく「ロールプレイがうまいなあ」と思うPLはこの切り替えのリズムが自然です。

この順番を繰り返すことで、テンポは崩さず、物語の厚みは保つという両立ができています。
これは意識すれば、誰でもできる技術です。


最後に

TRPGは「演技力がすべて」でも「効率がすべて」でもありません。
行動と心情、それぞれの役割を理解して場に出すことが、全員にとってわかりやすく、心地よいプレイにつながります。

次にセッションでプレイするとき、
「今は行動を伝えるとき」「今は心情を見せるとき」
その意識をほんの少し持ってみてください。

それだけで、キャラも物語も、もっと鮮やかに立ち上がるはずです。


最終更新日:2025年7月26日