『できない』を個性にするな
9/14 2025
カテゴリー:プレイ姿勢・在り方編

1. 『できない』はすごくラク
まず前提として言っておきたいことがある。
『できない』って、すごくラクです。
努力しなくていいし、失敗しても「しょうがない」で済むし、誰からも責任を求められない。
できない人間は、ある意味で無敵。誰もそこに期待しないから。
でも、それって本当に「自分らしさ」なんでしょうか?
堂々と「できません」「苦手です」って言ってる人に、あなたは「一緒にやろう」って思えますか?
その人に何か任せようと思いますか?
2. 『できない』をそのまま売りにするな
「できない自分も受け入れてくれる場所がいい」
「ありのままでいられる環境が理想」
理想論としてはすごくよくわかる。
でも、それを『加工なしの素材』として差し出すのは違います。
できないなら、できないなりに形にするべきです。 それを『ただの看板』にして「これが個性です!」って言い出すのは、ただの地雷です。
個性というのは、『人と違うこと』じゃなくて、『人と違うことを、どう活かすか』の話なんです。
TRPGで言えば、「筋力弱いので殴れません、それが個性です」はただの足手まとい。
「筋力が弱いから、私でも攻撃できそうな刃物を探してきました」なら、それは『戦術』になる。
同じできなさでも、工夫しているかどうかで周囲の受け取り方は180度変わる。
3. 苦手は、工夫してる人だけの特権だ
世の中、「できないことを武器にする」って風潮が存在する。
- コミュ障だけど、周囲を観察する観察力が鋭い
- 運動音痴だから、頭を使って上手く作戦をたてる
- アドリブで喋るのが苦手だから、代わりにしっかり考えた文章に全力を込める
これらは確かに個性だ。魅力だ。
でもそれは、「そのまま放置してる人」には当てはまらない。
ただの苦手を個性に見せかけて、何も努力せず、責任から逃げ続ける人間がいたとしたら?
きっと誰も「面白い」なんて思わないし、「すごいね」とも思わないでしょう。
「できないままの自分」に誇りを持ってはいけません。
誇れるのは、「できないからこそこう工夫した」人間だけです。
4. 自分の苦手をどう工夫してるか
私にも、苦手ははっきりあります。
まず、自己管理が壊滅的に苦手だ。計画通りに進められる人や、コツコツ積み重ねられる人を見て「すごいな」と思うけど、私にはそれができない。
だから、環境や仕組みで自分を縛るようにしてる。人に宣言して逃げ道を塞いだり、周りの目を利用して無理やり進める。
これは「自分の努力」じゃなく「場の工夫」で成り立ってる。
次に、これは苦手というより『特性』ですが、私はボイスチャットだと第一印象でなんとなく怖がられやすい。
もしそれを放置したら、誰も近づいてこない。
だから、意識的にユーモアを混ぜて喋ったり、あえて自分をいじらせたりして、印象を『怖そうな人』から『案外話しやすい人』に加工している。
さらに、私にはカリスマ性がない。
このサイトもそうだし、YouTubeチャンネルやTRPGサーバーの管理人をやっているにもかかわらず、初見で人を惹きつけるような『カリスマ』なんて呼ばれるものは微塵もない。
だからこそ、私はとにかく信頼を積み重ねることを優先している。派手さではなく、「あいつなら任せても大丈夫」と思ってもらうこと。これが、私なりの生き残り方です。
私の苦手は、このままだとただの弱点でしかない。
でも『苦手だからこそこう工夫してる』と形にすれば、人に届くし、自分の武器にもなる。
5. 加工なしの苦手アピール
TRPG界隈にもたまにいます。
「キャラロスト地雷です」「RP苦手だから控えめでいきます」「この手のRPはできないです」って、先に『免罪符』だけ配る人。
その気持ちがわからなくはない。むしろ、最初から公言しているあたりは多少好感は持てる。
でも、それで「これが自分の個性です!」は違う。
- 「ロールプレイ苦手なので、あらかじめこういう対応で入ります」
- 「戦闘不慣れですが、必要ならPL間でサポートお願いします」
- 「RPは苦手なので少ないかもしれませんが、反応はしっかり返します」
こういう風に、苦手を『対話と工夫』で中和していくのが「できる人」です。
できない自分を正直に伝えることと、できないままでいいと思ってることは全然違う。
最後に
『できない』は、スタート地点にすぎない。
そのままでは誰にも届かないし、何も生まない。
努力して人並みに持ち上げる。
苦手を『工夫と工夫』で包んで差し出す。
その先でようやく、『個性』は成立する。
「できない」を背負っても別にいい。
でも、それを『未加工で看板にする』ような人間には、誰も「面白い」「一緒にいたい」とは思わない。
できないからこそ、工夫しろ。
できないを言い訳にするな。
できないを武器にするなら、ちゃんと研げ。
それが、『できる人』のやってることです。
最終更新日:2025年9月14日