『そうはならんやろ』を楽しむ

カテゴリ:GM・物語との関わり編 / 筆者:キョロ

1. TRPGでは、“ありえなさ”が味になる

現実で考えたら「いや、そうはならんやろ」と言いたくなる場面。
TRPGを遊んでいると、そんなシーンにたびたび出会う。

──冷静に考えたら、どれも非現実的だ。
でも、TRPGは現実ではない“物語”を遊ぶゲームだ。
「そうはならんやろ」と笑える瞬間こそが、TRPGの醍醐味の一つだったりする。

2. 「リアルに忠実」より「物語として面白い」を選ぶ

もちろん、ゲーム内の整合性やリアリティは大切だ。
探索者が急に空を飛び出したら、シナリオが成立しなくなる。

でも一方で、「あえてゲームとしての面白さを優先する」という遊び方も、たしかに存在する。

──そうした瞬間は、フィクションならではの面白さを生む。
TRPGという遊びの特性上、“嘘っぽい展開”も堂々と遊べるのだ。

3. ただし、“なんでもアリ”には注意が必要

「非現実的でもいいじゃん!」と言いながら、
あまりにも突拍子のない行動や発言を連発すると、
さすがに場がしらけてしまう。

こうなると、「そうはならんやろ」ではなく、「そうはしてほしくなかった」になってしまう。

重要なのは、“仲間がそれを面白いと思ってくれているか”という視点だ。
ネタをやるにしても、「ちゃんと物語に還元されているかどうか」が問われる。

4. 一歩引いて笑える視点を持てたら、それが上級者

「現実的にはどうか」という発想は、ときにブレーキにもなる。
でも、「いや、そうはならんやろ……でも、そこがいい」と笑える人は、
遊びとしてのTRPGをちゃんと楽しめている人だ。

それができる人は、自分だけじゃなく、他人の楽しさにも目を向けられる。
そして何より、「TRPGを“遊び”として捉える力」がある。

最後に

TRPGは、「現実の再現」ではなく、「物語の体験」だ。
だからこそ、ちょっとくらい変でも、嘘っぽくても、それが面白いならOKなのだ。

もちろん、暴走しすぎて卓を壊すのはNG。
でも、「そうはならんやろ」で場が笑ったり盛り上がったりするなら、
その一瞬は、確かにTRPGらしい“魔法”がかかっていたということ。

理屈より感情、現実より熱量。
それがTRPGをTRPGたらしめている。

だから、あまり考えすぎずに、たまには肩の力を抜いて遊ぼう。
「そうはならんやろ」って笑いながら。

それは、この遊びを好きでいるための秘訣かもしれない。

投稿日:2025年5月14日
最終更新日:2025年5月14日

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