1. TRPGでは、“ありえなさ”が味になる
現実で考えたら「いや、そうはならんやろ」と言いたくなる場面。
TRPGを遊んでいると、そんなシーンにたびたび出会う。
- 一発殴っただけで怪異が改心する
- 完全に包囲されたのにダイス一発で脱出成功
- 図書館で1時間調べただけで神話的儀式のすべてがわかる
──冷静に考えたら、どれも非現実的だ。
でも、TRPGは現実ではない“物語”を遊ぶゲームだ。
「そうはならんやろ」と笑える瞬間こそが、TRPGの醍醐味の一つだったりする。
2. 「リアルに忠実」より「物語として面白い」を選ぶ
もちろん、ゲーム内の整合性やリアリティは大切だ。
探索者が急に空を飛び出したら、シナリオが成立しなくなる。
でも一方で、「あえてゲームとしての面白さを優先する」という遊び方も、たしかに存在する。
- 偶然が偶然を呼んで、事件が“都合よく”展開する
- 意外な成功や失敗が、物語に予想外の方向性を与える
- 演出重視の場面で、理屈ではなく“情緒”で動くキャラ
──そうした瞬間は、フィクションならではの面白さを生む。
TRPGという遊びの特性上、“嘘っぽい展開”も堂々と遊べるのだ。
3. ただし、“なんでもアリ”には注意が必要
「非現実的でもいいじゃん!」と言いながら、
あまりにも突拍子のない行動や発言を連発すると、
さすがに場がしらけてしまう。
- 空気も読まずにいきなり爆破する
- なんでも〈幸運〉で乗り切ろうとする
- 自キャラを“ネタ化”して、シナリオを台無しにする
こうなると、「そうはならんやろ」ではなく、「そうはしてほしくなかった」になってしまう。
重要なのは、“仲間がそれを面白いと思ってくれているか”という視点だ。
ネタをやるにしても、「ちゃんと物語に還元されているかどうか」が問われる。
4. 一歩引いて笑える視点を持てたら、それが上級者
「現実的にはどうか」という発想は、ときにブレーキにもなる。
でも、「いや、そうはならんやろ……でも、そこがいい」と笑える人は、
遊びとしてのTRPGをちゃんと楽しめている人だ。
- ダイス目ひとつで運命が変わるのを受け止める
- 演出のご都合に乗って、シーンを盛り上げる
- ごちゃごちゃでも「今の、めちゃくちゃ楽しかったな」と思える
それができる人は、自分だけじゃなく、他人の楽しさにも目を向けられる。
そして何より、「TRPGを“遊び”として捉える力」がある。
最後に
TRPGは、「現実の再現」ではなく、「物語の体験」だ。
だからこそ、ちょっとくらい変でも、嘘っぽくても、それが面白いならOKなのだ。
もちろん、暴走しすぎて卓を壊すのはNG。
でも、「そうはならんやろ」で場が笑ったり盛り上がったりするなら、
その一瞬は、確かにTRPGらしい“魔法”がかかっていたということ。
理屈より感情、現実より熱量。
それがTRPGをTRPGたらしめている。
だから、あまり考えすぎずに、たまには肩の力を抜いて遊ぼう。
「そうはならんやろ」って笑いながら。
それは、この遊びを好きでいるための秘訣かもしれない。
最終更新日:2025年5月14日