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1. 高難易度シナリオを「回した」という自慢

SNSやセッション報告で、よく見かける。

もちろん、それはすごいことだと思う。
大変な準備、体力、管理能力、集中力。それを乗り越えたのだから、誇っていい。
ただ、『誇る』のと、『うぬぼれる』のは別だ。


2. 難しいシナリオでも、『進行だけ』なら誰でもできる

極端な話、どんな難易度の高いシナリオでも、TRPGをある程度経験していれば「セッションを終わらせるだけ」ならできる。

たとえば…

…それって、ただの進行係では?

TRPGのGMに求められるのは、『動かすこと』じゃなく『楽しませること』だ。


3. 『難しい』と『ちゃんとしてる』は別の話

難しいシナリオを回すと、それだけで「すごいGM」になったような気がする。
でも、そういう時こそ自問してみてほしい。

こうした配慮をしながら『難しいシナリオ』を進めるのは、本当に難しい。

「NPCが20人いるから、ちょっとPLのセリフは遮った」
「20時間あるから、無駄なやりとりは飛ばした」

──それは、『回せた』ではなく『やり切っただけ』かもしれない。


4. 「自分すごい」より「PL楽しめたかな」

本当にすごいGMは、自分がすごいかどうかより、PLが楽しめたかを一番に考えてる。

だから、どれだけ複雑な構造のシナリオでも、どれだけ登場人物が多くても、『PCたちの物語』として自然に成立させてしまう。

それは単なる技術の積み上げじゃなく、『他人の体験を想像する力』や『バランス感覚』のたまものだ。


最後に

繰り返すが、難しいシナリオを回すことは素晴らしいことだ。
でも、それは『スタートライン』にすぎない。

そこにPLへの気配りがなければ、どんなに大規模なシナリオでも、ただの『GMの自己満』になってしまう。

「回せた」ことで満足せずに、「回せて、しかも全員が楽しかった」を目指していこう。

それができて、ようやく『高難易度を回せるGM』ではなく、『卓の信頼を得るGM』になる。



最終更新日:2025年7月27日