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ChatPTによるこの記事の3行要約

  • シナリオには必ず、GMが体験させたいテーマが仕込まれている。
  • テーマを無視した行動は、雰囲気・他PL・GMの準備を同時に壊す
  • テーマに乗ることは我慢ではなく、GMと物語を共犯する楽しみ方だ。


1. ホラーシナリオで、笑いを取りに行く人

ある日のセッション。

GMが用意したのは、じっとりとした恐怖を描くホラーシナリオだ。
薄暗い屋敷、不気味な音、何かが這いずる気配。
GMは、丁寧に恐怖を積み重ねていく。

そんな中、一人のPLがこう言った。

「じゃあ俺、この怪しい扉を蹴破ります!『開けゴマ(物理)』ってね!」

場が、笑いに包まれる。確かに、その場のノリもあってちょっと面白かった。
その場のノリは良くなった。

でも、GMの顔が少しだけ曇った。

なぜか。

それは、シナリオのテーマと、PLの行動が噛み合っていないからだ。


2. シナリオには、必ず「テーマ」がある

どんなシナリオにも、GMが意図した「テーマ」がある。

GMは、そのテーマに沿って、シナリオを組み立てている。

怖がらせたいから、不気味な描写を用意する。
謎を解かせたいから、手がかりを散りばめる。
戦闘を楽しんでほしいから、敵を配置する。
感情を揺さぶりたいから、NPCとの関係を作る。

そのテーマを無視してプレイすると、GMの意図が空回りする。

ホラーシナリオで笑いを取りに行く。
推理シナリオで思考を放棄して、力技で解決する。
人間ドラマで、NPCとの会話をすっ飛ばす。

それは、GMが積み重ねてきた「雰囲気」を壊している。


3. テーマを意識すると、何が変わるか

では、テーマを意識してプレイすると、何が変わるのか。

ホラーシナリオなら、恐怖を「感じる」演技をする。
不気味な音がしたとき、「やばい、何かいる……」と怯える。
扉を開けるとき、「開けるの、怖いな……」と躊躇する。

こうやって、PLが怖がることで、GMの描く恐怖が生きてくる。

推理シナリオなら、手がかりを集めて「考える」プロセスを大事にする。
「この証言と、この現場の状況を合わせると……」と、論理的に詰めていく。
早々に戦闘に持ち込んだり、ダイス運に任せたりせず、頭を使う。

戦闘メインのシナリオなら、アクションを楽しむ。
「敵が来たぞ!」というタイミングで、「よし、やるか!」と前向きに戦闘に入る。
戦闘を避けようとしたり、長々と交渉しようとしたりせず、GMが用意した戦闘の場を楽しむ。

人間ドラマのシナリオなら、NPCとの関係を丁寧に描く。
会話を急がず、感情を言葉にして、相手の話をちゃんと聞く。
効率を優先して情報だけ引き出すのではなく、「この人は、何を感じているんだろう」と向き合う。

テーマに乗ることで、GMの意図した物語が動き出す。


4. 「でも、自分のキャラらしく動きたい」という葛藤

「でも、自分のキャラは怖がらないキャラなんです」
「このキャラは、推理より戦闘が得意なんです」
「キャラの個性を出したいのに、テーマに縛られるの?」

その気持ちは分かる。

でも、考えてみてほしい。

キャラの個性を出すことと、シナリオのテーマを壊すことは、別だ。

例えば、ホラーシナリオで「怖がらないキャラ」を演じるとする。
それでも、「怖がらない」を「冷静に状況を分析する」として演じることはできる。
「……この音、何かがいるな。気をつけよう」と、緊張感を保ちながら動く。

笑いに持っていかなくても、キャラの個性は出せる。

推理シナリオで「戦闘が得意なキャラ」を演じるとする。
それでも、推理のプロセスに参加することはできる。
「俺は頭脳派じゃないけど、この手がかりって何か意味あるんじゃないか?」と、自分なりに考える。

戦闘に無理やり持ち込まなくても、キャラは動かせる。

テーマを意識しながら、キャラの個性を出す。
その両立は、できる。


5. テーマを「読む」方法

「テーマを意識しろ」と言われても、どうやってテーマを読み取ればいいか分からない人もいるだろう。

実は、テーマはそんなに難しくない。
GMの描写に、ヒントがある。

GMが時間をかけて、不気味な描写をしているなら、それはホラーだ。
GMが手がかりを丁寧に提示して、「どう思う?」と聞いてくるなら、それは推理だ。
GMが戦闘マップを広げて、敵の配置を説明しているなら、それは戦闘シナリオだ。
GMがNPCの表情や感情を細かく描写しているなら、それは人間ドラマだ。

GMが力を入れている部分が、そのシナリオのテーマだ。

それを見逃さず、そこに乗っかる。それだけで、GMの意図に沿ったプレイができる。


6. テーマを壊すと、どうなるか

テーマを無視してプレイすると、何が起きるか。

まず、GMのモチベーションが下がる

「せっかく恐怖を演出したのに、笑いにされた……」
「推理してほしかったのに、力技で終わらせられた……」

GMは、自分の準備が無駄になったように感じる。

次に、他のPLが困惑する

ホラーの雰囲気を楽しんでいたのに、誰かが場を壊す。
推理を楽しんでいたのに、誰かが強引に解決してしまう。

「え、そういうシナリオじゃなかったの?」と、他のPLも戸惑う。

そして最後に、シナリオそのものが崩れる

テーマを無視されたGMは、シナリオを調整しきれなくなる。

ホラーシナリオなのに笑いの空気になってしまった。
推理シナリオなのに戦闘で終わってしまった。

シナリオが、中途半端なまま終わる。

テーマを壊すことは、卓全体を壊すことだ。


7. 「空気を読む」じゃなく、「テーマに乗る」

「じゃあ、空気を読まなきゃいけないってこと?」と思った人もいるかもしれない。

違う。

これは「空気を読む」じゃなく、「テーマに乗る」だ。

空気を読むというのは、「自分を抑えて、周りに合わせる」ことだ。
でも、テーマに乗るというのは、「GMが用意した舞台で、全力で遊ぶ」ことだ。

ホラーシナリオなら、怖がることを楽しむ。
推理シナリオなら、謎を解くことを楽しむ。
戦闘シナリオなら、戦うことを楽しむ。

テーマに乗ることは、遠慮じゃない。楽しみ方の一つだ。

GMが用意してくれたテーマを、全力で味わう。
それが、TRPGの醍醐味だ。


8. テーマは、共犯関係だ

シナリオのテーマは、GMとPLの「共犯関係」だ。

GMが恐怖を演出する。
PLが、それを受け取って怖がる。

GMが謎を提示する。
PLが、それを受け取って考える。

この「受け取る」という行為があるから、シナリオが成立する。

もしPLがテーマを無視したら、GMは一人芝居をしているだけになる。
でも、PLがテーマに乗れば、GMとPLが一緒に物語を作ることができる。

テーマに乗ることは、GMへの協力だ。

そして、それが結果的に、自分自身の楽しみにもなる。

だから、シナリオのテーマを意識してほしい。

GMが何を描きたいのか、何を楽しんでほしいのか。

それを感じ取って、そこに全力で乗っかる。

それが、TRPGの遊び方だ。


最後に

TRPGは、自由な遊びだ。

でも、「自由」は「何をしてもいい」という意味じゃない。

GMが用意してくれたテーマがある。
そのテーマに乗ることで、物語が生まれる。

ホラーならホラーを楽しむ。
推理なら推理を楽しむ。
戦闘なら戦闘を楽しむ。

それが、GMとPLの信頼関係だ。

シナリオのテーマを意識して、全力で楽しもう。

そうすれば、GMもPLも、きっと満足できる。


最終更新日:2025年12月12日