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1. Switch2が楽しすぎる件について

最近、抽選に当たったのでSwitch2を買った。
だいぶ今年の運を使い果たした感があるけれど、まあいい。

何をしているかというと、ずっと『マリオカート ワールド』をやってる。
楽しすぎて笑っちゃう。笑いながら何周も走ってる。

さらに追い打ちのように、『たまごっちのプチプチおみせっち おまちど~さま!』が出た。
あのDSの『プチプチおみせっち』の新作である。楽しすぎる。

極めつけは、『トモダチコレクション』『リズム天国』『カービィのエアライド』の新作。
このあたりまでくると、もう「狙ってる」としか思えない。
完全に、平成残党兵の私達を狙い撃ちしている。


2. これは『戦略』なのかなと思う

Switch2は5万円くらいする。
小中学生にポンと与えられる額じゃない。

だから、最初のターゲットは、親世代…つまり私達。
昔のゲームにどっぷり浸かっていた、今や財布を握る側になった大人たちだ。

「子どものために」なんて建前を使わせながら、本当は『自分たちのため』に手を伸ばさせる。
たぶん、それが任天堂の本気の戦略なんだろう。

そういう意味では、DSの発表をPSPの発表日にぶつけたあの頃から、この会社はずっとマーケティングが上手い。


3. ふと訪れる『昔はよかった』という感情

ここまで『懐かしさ』で殴られ続けると、自然と出てくる言葉がある。

「やっぱ、昔って良かったよなぁ」

これは、けっこう当たり前の感情らしい。

人間の脳は、過去のしんどさや嫌な出来事を先に忘れる。
逆に、『いい思い出』は濃く、鮮明に残りやすい。

それに、人は自分が選んできた人生を肯定したい生き物だ。
だから、「昔の自分の選択=間違ってなかった」と思いたくて、記憶の中の『過去』をちょっと良い方向に補正してしまう。

「昔は良かった」っていうのは、その補正が生み出す『ちょっと優しいバグ』みたいなものだ。


4. そう言ってくる人はうるさい

正直な話をすると、「昔は良かった」ってやたら言ってくる人、嫌いだった。

私たちが子どもだった頃。

「昔はもっと子どもが元気だった」とか
「最近の子はゲームばっかりで」だとか
そんなことを言ってくる大人たちに、心底飽き飽きしていた。

「今を生きてる自分たちが、否定されてる気がする」

あの違和感、今になってわかる。

そして気づけば、自分もそれを言いそうになっている。

今や中学生がスマートフォンを持っているのは当たり前。
それどころか、小学生でも自分専用のスマホを持っている子どもが珍しくないという。

「小学生にスマホなんて…」というのが、正直なところ私の第一印象だった。
しかし、それも今ではごく当たり前の文化として、社会に受け入れられている。

もはや、時代も常識も、私たちの想像よりずっと先に進んでいるのだ。

あまり良くない言葉だが、こういう思考から『老害』というのも生まれるのかもしれない。


5. TRPGにもある、『昔はよかった』構文

これはTRPG界隈でも、たまに見かける。

たとえば『クトゥルフ神話TRPG』。
元々は『恐怖を味わうためのシステム』だった。

でも今は、『ギャグ』も『推理』も『感動』も、『なんでもアリ』の超汎用ルールとして浸透している。

そこに対して、

「本来のCoCはこうじゃなかった」
「昔の方が、ホラーとしての緊張感があった」

…そんな声が聞こえてくることもある。

気持ちはわかる。
でも、それを聞いている『今のプレイヤーたち』は、何を思うだろう。

「今を楽しんでいる自分たち」が、やっぱり否定された気になる。
そんな気がする。


6. 年取ってからやってはいけないこと

高田純次が言っていた。

「歳を取ってやっちゃいけないのは、説教・昔話・自慢話

たぶん、『昔は良かった』ってやつは、この3つを全部内包してる。

だからウザく感じるんだなと、納得してしまった。


7. それでも、懐かしいものは懐かしい

でも、懐かしさは否定できない。

たとえば、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」に出てきた『20世紀博』。
あれの『平成博』みたいなのが現実にできたとしたら…

入り浸って出てこない自信がある。

──思い出すだけで泣きそうになる。
でも、あの時代がよかったのは、本当に『時代』のおかげだったんだろうか?


8. 今の技術も、案外悪くない

令和の今だって、悪くない。

昔が好きだからこそ、今を遠ざけるんじゃなくて、『今も触ってみる』ことが大事なんじゃないかと思う。

そうやって前に進んでいけたら、『昔』は「逃げ込む場所」じゃなくて、「背中を押してくれる場所」になる。


最後に

たぶん、いつか今のこの時代も、誰かにとっての「昔は良かった」になる。

だからこそ、今をちゃんと生きること。
今の楽しさに触れて、「案外こっちも悪くないよ」って思えること。

それが、懐かしさに沈まないための免疫だと思う。

Switch2の電源を入れるたび、心のどこかで「ありがとう、昔」と思いながら、ちゃんと『今』の楽しさを取りこぼさずに進んでいきたい。



最終更新日:2025年7月31日