1. セッション中に「無理かも」と気づく瞬間は、誰にでもある
TRPGをしていると、たまにある。
「……あ、これ、合わないかもしれないな」
と、心の奥でうっすら思ってしまう瞬間。
- 価値観がまるで違う
- 空気がギスギスしている
- 何をしても噛み合わない
- ロールプレイを返してもらえない
- 自分だけ卓の温度がズレてる気がする
最初は楽しくやろうと頑張っていたけど、
だんだんと、「これ最後まで持つかな……」という不安が大きくなっていく。
でも、すぐに投げ出すわけにもいかない。
他の人たちに迷惑をかけたくない。
なにより、自分自身も「無理やり終わらせた」って後味を引きずりたくない。
そんなとき、静かに、無理せず、壊さず、走り切るためのコツがある。
2. まず「完走目標モード」に切り替える
気持ちがきつくなったら、最初にやるべきこと。
それは、「完璧なセッションを目指すモード」を手放すことだ。
もう、卓を最高に楽しいものにする必要はない。
盛り上げなきゃいけないわけでもない。
キャラを最高に生かさなきゃいけないわけでもない。
目指すべきは、ただひとつ。
「全員が無事にセッションを完走すること」。
- 自分ができる最低限のことだけをやる
- 必要以上に背負わない
- 誰かを直そうとしない
- 盛り上げ役を無理に背負わない
完走目標モードに切り替えるだけで、
ぐっと呼吸が楽になる。
3. 「自分のペースを落とす」という防御手段
しんどい卓を走り切るときに大事なのは、
“攻める”より“守る”ことだ。
- いつもよりセリフを短く
- 必要な時だけリアクション
- 質問をされたら答える、それ以外は静かに
- 焦って話を広げすぎない
無理にテンションを上げようとしなくていい。
無理に誰かのノリに合わせようとしなくていい。
“自分を静かに守りながらプレイする”という選択肢は、
決して投げやりじゃない。
むしろ、壊れないために必要な立派な戦術だ。
「今日は深く絡まないで淡々と物語を歩こう」
──そう割り切ったとき、
意外と心が耐えられるようになる。
4. そして、無事に終わったら、そっと手放す
セッションが終わったら、
「もっとこうすればよかったかな」とか
「うまく絡めなかったな」とか、
きっといろんな後悔が浮かぶ。
でも、そこで自分を責めないでほしい。
完走できたなら、それだけで充分すごい。
無理をして、卓を壊さず、
誰にも大きな傷を負わせず、
自分自身も大破しないように、
ちゃんとゴールまでたどり着けたなら──
それは、
大人のプレイヤーとして、とても大きな力を使った結果だ。
そして次に進もう。
無理だった卓は、あなたのせいじゃない。
ただ、相性が合わなかっただけ。
あなたを理解してくれる卓は、
きっとまた見つかるから。
● 最後に
TRPGは、誰とでも、どんな卓でも、
毎回すべてが最高になるわけじゃない。
だけど、
しんどい卓をしっかり最後まで走り切れたとき、
プレイヤーとしてのあなたの“耐久力”と“優しさ”は確実に育っている。
無理な時は無理でいい。
でも、走り切れたなら、
どうかちゃんと自分を褒めてあげてほしい。
そしてまた、
心から楽しいと思える卓を目指して、歩き出そう。
最終更新日:2025年4月30日