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1. ロールプレイが白熱する事自体はいいこと

TRPGの醍醐味のひとつは、やはりロールプレイでの会話劇にある。

どれも、物語に厚みを持たせる大事な要素だ。

ときには、セッション中に『口プロレス』のような応酬になることもある。
セリフがどんどん熱を帯びて、まるで舞台劇のような展開になることもあるだろう。

でも、ここでひとつだけ冷静に意識しておきたいことがある。


2. 「キャラの言葉」は、「PLの口の上手さ」とは別物

熱いロールプレイの中でつい忘れてしまいがちだが、どれだけキャラを動かしていても、発言しているのはプレイヤー本人だ。

これらは確かに立派なスキルだし、セッションを盛り上げる力にもなる。
だけど、「自分が口達者だから」「相手より説得力があるから」という理由で、「キャラ同士の優劣」まで決めてしまっていいのでしょうか?

その問いを忘れてはいけない。

あなたのキャラは、『あなた』と同じだけ口が回る存在ですか?

そういったキャラが、突然PL本人の弁舌で完封勝利するのは、違和感が出てしまう。


3. わざと『負ける』ことで、物語は深くなる

ときには、流れを見て『負ける側』を演じることも、上級者としての演技力だ。

これらは、負けではない。 感情の『受け』として演技を広げる、大事な手段だ。

「論破できないけど、それでも譲れない感情がある」 「負けたけど、心には何かが残った」

そういった『負け方』ができる人は、口達者を超えた芸達者だ。


4. 『声が大きい人』が支配する卓にしないために

「口プロレス」でありがちなのは、『強く出た人の言葉だけが正解になる空気』ができてしまうこと。

そんな事態になったとき、卓の『共感の輪』はゆっくりと壊れていく。

だからこそ、「今、自分はどれくらい『喋ってる側』に偏っているか」をときどき振り返ること。
『黙ってる人』の表情を、想像してみること。

それができるだけで、あなたのロールプレイはもっと愛されるものになる。


最後に

口達者であることは、悪いことではない。
むしろ、プレイの盛り上げ役として重要な役割を果たす場面も多い。

でもそれは、誰かを言い負かすための武器じゃない。

物語を深める道具であり、キャラクターの輪郭を描く筆であり、卓全体の空気を温める火種であるべきだ。

だから、もしあなたが口プロレスに強いタイプだとしても

と、一度だけ胸に問いかけてみてほしい。

強くなるより深くなる方が、TRPGという遊びは面白い。


最終更新日:2025年9月5日