うちよそ文化とTRPG
5/8 2025
カテゴリー:キャラクター論・設定運用

1. うちよそは、正直楽しい
「うちよそは楽しい」──これは事実だ。
TRPGの中で生まれたキャラ同士が、シナリオの枠を越えて関係を深めたり、別卓で再会したり、オフの時間に物語を紡いだり──
そんな余白の交流に、魅力を感じる人は多い。
「TRPGでそんなことするな」「遊び方が違う」という否定の声もあるが、そんな意見は気にしなくていい。
うちよそは、あくまでプレイヤー同士の合意の上に成立するもの。
楽しめる人たち同士でやるぶんには、誰にも咎められる筋合いはない。
2. でも、うちよそ『しか』見てない人は危うい
ただし──
「なんでもかんでも、うちよそに持っていく」のは、正直しんどい。
- 事件もシナリオもそっちのけで、ペアでイチャイチャしてる
- 他PCとの関係を広げようとせず、ずっと固定の相手にしか絡まない
- セッション中なのに、舞台裏で『うちよそネタ』をこっそり進めている
こうなると、『TRPGの物語』が薄れていく。
うちよそはTRPGの延長線であって、中心ではない。
本来は、『遊んだ後』や『卓の外側』で楽しむ創作的な二次展開。
それが、本編を食い始めると、もう別の遊びになってしまう。
3. うちよそを「前提」にして接近してくる人には注意
これは個人的な見解だけど、「二言目にはうちよそしませんか?」という人は、ちょっと危険。
うちよそは、あくまで「関係が自然に深まった結果」生まれるもの。
最初からそれを目的にキャラを作っていたり、会話の入り口が「うちよそしませんか?」になっていたりすると、『その人の目的がTRPGではない』可能性がある。
特に注意してほしいのが、『異性プレイヤーに対してうちよそを迫る』ケース。
- セッション中に強引にロマンス展開に持ち込もうとする
- 拒否されると「キャラ的には脈あるはず」と言ってくる
- うちよそを拒否すると、無視・冷遇・卓からの疎外が始まる
……これはもう、ただの迷惑行為だ。
4. TRPGに『下心』を持ち込まないでください
TRPGは、創作であって、社交場であって、でも『ゲーム』だ。
うちよそは、創作・交流としての余白ではあるけれど、「キャラ関係に名を借りた下心」を持ち込んだ瞬間、TRPGの土台ごと崩しにかかる破壊力を持ってしまう。
恋愛を描くのは自由。
うちよそも自由。
でもそれは、関係性の『結果』として生まれるべきものであって、『目的』にして近づいてくるものじゃない。
だから、お願いです。
TRPGに、変な下心を持ち込まないでください。
これはゲームです。
まずは、物語を一緒に作る仲間として関わってください。
最後に
うちよそが悪いわけじゃない。
TRPGの世界から広がる、もうひとつの物語の形だ。
でも、それが『メインの目的』になった瞬間、プレイヤーもキャラも、どこかで疲弊し始める。
TRPGは、あなたのキャラと、仲間のキャラが、物語の中で必死に生きて、何かを掴む遊びです。
その本質を、忘れないでいてほしい。
そして、うちよそも「ちゃんとTRPGを楽しんだ先」に生まれるからこそ、本当に愛おしいものになる。
最終更新日:2025年7月28日